HACCPは日本だとハサップやハセップなどと呼ばれ、食品製造における管理手法として知られます。
一般的に知られるようになったのは、乳製品メーカーが引き起こした食中毒事件で、その際に名前が定着しています。元々HACCPは宇宙開発から生まれていて、1960年代には構想が行われていた歴史があります。宇宙開発だけでなく、一般にも採り入れられるようになったのは、低酸性の缶詰の法規制を行ったアメリカ食品医薬品局で、1973年頃のことです。当時はまだHACCPと呼ばれていませんでしたが、それでも既に食品の安全な製造管理を行う手法が確立済みです。
後に日本に伝わったHACCPは、消費者の安全を守る方法として、食品の製造業界において幅広く採用されることになります。普及に際しては支援を行う法律が作られ、1998年に施行された法律を延長して運用されています。その結果、日本は世界的に見ても、食の安全を守る厳しい国の1つとして認知されるに至ります。HACCPの目的は、食品の製造過程で発生することがある、ウイルスや病原菌の特定を容易にすることです。
工場では複数の工程を経て商品が作られますが、ひと度食中毒が発生すると原因の特定が困難です。それをトレーサビリティによって改善を行い、問題が発生した時に対応力を発揮したり、事件を未然に防ぐ効果が実現します。食品を取り扱う事業者は、製造業や宿泊施設に関係なく全てが遵守の対象なので、厳しさによって食の安全が守られています。